vol.6-2 NPO法人バーンロムサイジャパン 名取美穂さん
子どもたちに、好きなものや
得意なことを見つけてほしい。
それが子どもたちの未来を彩ってくれるはず
転機を迎え、乗り越えた「バーンロムサイ」の活動は、孤児院、ものづくりだけでなく、ゲストハウスにまで広がっていく。何もない果樹園だった土地に、出来上がった「hoshihana village」。
THINKSディレクター石井なお子さんもいつか泊まりに行きたいと話す「hoshihana village」。抗HIV療法のおかげで、エイズ発症の不安がなくなったことにより、未来ができた子どもたち。そこで、その子どもたちが働く場をつくってあげたいと考えていた名取さん母子。その考えに賛同してくれた支援者の方々が集まり、コテージを作ることが出来たそう。
「コテージをつくるなんて、もちろん私も母も経験のないこと。そんなど素人が何も分からず無我夢中で動いているから、色々な方々が手を差し伸べてくれまして(笑) 現在は10年経ちましたが、ようやく8棟建ちました。すいかハウスでは「プール」という映画の撮影場所にも使って頂いたり。是非泊まりに来てもらえたら嬉しいです」
このコテージを作った当初の目的も、少しずつ進んできている。「プラスアート」という活動である。
「まだエイズの薬がない時代、藁にもすがる思いだった私たちは、絵を描いたり写真を撮ったりすることで免疫力が上がるということを実際に実感し、積極的にアートを取り入れていました。たくさんのクリエイターさんたちに足を運んで頂き、持っている力やアートを子どもたちに提供してくださいました。それぞれの持っている力を提供してくれたからこそ、今があるのだと思っています。アートは、衣食住のような最低限必要な存在ではありません。でも、その存在によって気付くことや楽しむこと、それってとても大事。自分が好きなことや得意なことを見つけて欲しい。それは未来に希望を持つことに繋がり、職業訓練にも繋がります。”hoshihana village“の最後の1棟は、「プラスアート」の為のスペースに出来たらいいなと思っているんです。クリエイティブなことが出来たり、教えに来てくれた方が泊まれたり、ギャラリーとして飾れるスペースがあったり。滞在いただきながら、子どもたちと触れ合って頂けたらいいな、と。子どもたちにとって、一緒の思い出となる1日がそこから生まれることもあると思うんです。そういうことを継続していけたらいいな」
お話を伺っていると、縁が繋がり、まるで運命のように物事が動き進んでいるように感じてしまう。でも、続いてきたのは、名取さんたちの中に決してブレない想いや強さがあったから。ブレない芯の強さを持続することは、とても難しい。時代に沿いながら、人の縁や優しさに感謝をしながら、進んできた名取さんたちだからこそ、今の現状があるのだ。
「人生は、運と縁。ご縁は自分次第で繋いでいけるものなんじゃないかと思います。少しでも多くの子どもたちが無事に成長してくれて、いつか自分が好きなことや得意なことを活かして社会に出てもらいたい。また、こういった活動に賛同してくださる方々にも笑顔で気持ちよく関わってもらいたい。その為にも、デザインにこだわったものづくりや気持ちのいい場所づくりなど、妥協することなく取り組んでいきたいと思っています」
Edit & Text : Maki Kakimoto
Photo : Nobuki Kawaharazaki Direction : Naoko Ishii
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バーンロムサイ
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banromsai kamakura shop
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cottage resort hoshihana village