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March 13, 2017

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vol.7 シンシア・ガーデン代表 杉谷惠美さん

November 26, 2018

 

青山の一等地に作られたオーガニックアロマスパ「シンシア・ガーデン」は、今年で12年となる。都会の中心とは思えないほど3フロアには大きな窓から光が差し込み、開放的な空間に。このシンシア・ガーデンを立ち上げたビーバイ・イー代表・杉谷惠美さんは、オーガニックコスメを通じて、健やかな心と身体へと導く先駆者として活躍している。

声高に告知こそしていないが、サスティナブルな社会を目指すため、環境保護や社会貢献活動を推進しているビーバイ・イー。

 

元々はファッション誌のライターだった杉谷さん。シンシア・ガーデンを始めたキッカケは、彼女自身が子宮内膜症にかかったこと。仕事に没頭するあまり、痛みにも気付かなかったそう。体調を崩したことを機に、生活を見直すことに。

 

「西洋医学的なアプローチは強い副作用だったこともあり、藁をもすがる思いで色々探し、勉強している時に出合ったのが植物の世界。漢方なども学んでおり、色々知識が積み重なるにつれ、自分がいかにめちゃくちゃな生活を送ってきていたのか、改めて実感しました。そこで、植物の力に助けられて身体が良くなってきた時、次の自分の人生は植物の力を少しでも広げていくことに時間を使えたらと思いました。その後、子どもが出来て、自分のライフスタイルがまた更に変わっていったんです。自分だけの時間なんてなくなりますし、大好きな時間だったキャンドル焚きながらお風呂で読書タイムなんて、もう絶対に無理(笑)そこで、そのライフステージごとに、今自分が必要なものを徹底的に考えるようになりました」

 

 

 

 

身体をこわした時に、杉谷さんがまず変えたのが食。ライター時代は忙しさのあまり、主食がビスケットタイプの栄養食だったそう。食とは、仕事の合間に空腹を満たすためのもの。睡眠時間もしっかりとれずに、朝型寝るという生活。

 

「子宮内膜症は遺伝ではなく現代病。朝まで起きて、きちんと食事をとらず、軽食で空腹を満たして、という生活やストレスが原因でした。副作用で成人性アトピーにもなっていたので、そこで保湿が必要となりシアバターに出合いました。シアバターは保湿力と浸透率がとても高い。実際に使い、その効力に気付き、詳しく調べたところ、当時は高価なものしかなかったんです。そしてシアバターは、アフリカの女性たちの生活を支えているということも分かり、こういう物が気軽に買えるようになって欲しいと思って挑戦したのが1番最初の商品なんです」 今となってはオーガニックやナチュラルコスメが世にたくさん溢れているが、当時はまだ数少なかった。値段も高く、本当にこだわっている人が買うものというイメージ。 「12年前この場所にお店を出すときも、みんなに失敗すると言われたんです。当時はライフスタイルごと提案しているお店はほとんどなく、このあたりの家賃はとても高いので…。周りのお店がなくなる度に、次はうちかな?と思いながら12年経ちました。そして、オーガニック=値段が高いというイメージそのままだったので、まずそこを打破するよう努めました。自国で生産することで、お母さんでも使い続けることが出来るような値段を目指しました。場所、お店、値段など全て、皆さんが気軽に買えるように、というのがミッションだと思って作り続けています」

 

 

 

自国生産でコストを出来る限り抑え、値段を下げるという選択のおかげで、今世に広がっている。メイクアップ・アーティスト早坂香須子さんとシンシア・ガーデンのコラボブランド「ネロリラ ボタニカ」は絶大なる人気を誇るが、発売まで2年かかったそう。そして、障がい者雇用をしている工場に生産をお願いしているため、大量生産は難しい。

 

「畑に足を運び、一緒に茶積みしたりして、とにかく時間をかけて丁寧に作りました。そして障がい者の方にも関わって頂いているので、個数を大量生産することは難しい。トレンドの移り変わりは早いので、いかに早く作り、大量に作るかという時代なのですが、全てにおいて逆行した取り組み方です。でも、何をチョイスするかは私たちの自由ですし、責任は私が持てばいいと思って決断しました」

 

 

 

社会活動は、最初から視野にあったという。オーガニック商品の魅力は、売上というよりも生産者さんの想いや哲学を、世の中に伝えていく手助けをしているだけだという杉谷さん。その想いは、出産を機に更に強まった。

 

「まだまだ伝えたいことがたくさんあります。ママバターの10周年イベントがあったのですが、その際に「私たちの山登りはまだ1合目です」と社員たちに伝えたら、社員たちがガックリしちゃいましたが(笑)スキンケアはもちろんですが、子どもができたことで、更に食へ意識も更に高まりました。自分が食べるのではなく、人に食べさせる立場となることで、責任を感じるので。オーガニック商品を使うことが、未来の土地や子どもたちを守ることに繋がるんです。目の前というよりも、100年単位で物事を捉えるようにしているので。もちろんオーガニック食品だけを食べなさいとは全く思っていませんし、まだまだ値段も毎日気軽に食べられるものではないとも思っています。それは私たちの責任。まだまだ広められていないんですよね。もっと気軽に買えるよう、変えていけたらいいなと思っています」

 

10周年を迎えた「ママバター」もフェアトレードを意識した商品。知的障がいをもつ子どもたちの為のサーフィン教室「認定NPO法人Ocean’s Loveのスポンサーとなっている。

 

「活動自体は海外ではメジャーみたいです。日本でスタートした方との出合いがあり、その想いに共感したのでご協力させて頂いています。毎年、ボランティアに参加させていただいていますが、サーフィンをすることで子どもたちがすごく笑顔になっていたり、楽しそうにいきいきとしていて、とても温かい気持ちになります。誰かを笑顔に出来るということは、仕事を頑張るモチベーションに繋がります」

 

 

 

プロダクトもお店も全ては、植物の力を発信していく手段の一つ。これからもご縁とタイミングが合えば、色々なコンテンツを増やしていく予定だそう。そんな彼女が見る将来とは?

 

「私が直接見れることはないのですが、100年先の子供たちの未来が、自然の豊かな美しい土地になっているということを実感できるよう、役に立てたらいいなと思っています。甘酒によって、日本にしかない発酵という素晴らしい技術を少しでも伝承したり、ネロリラ ボタニカでは相続放棄された畑のみかんの花を摘んで蒸留水にしたり、そうやってどんどん連鎖して広がっていくことで、オーガニック製品が手に取りやすい世の中になるといいなと思っています」

 

 

 

 

Edit & Text : Maki Kakimoto

Photo : Nobuki Kawaharazaki
Direction : Naoko Ishii

 

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杉谷 惠美

シンシア・ガーデン代表

 

  女性誌ライターとして美容ページ、ファッションページ編集に4年間携わる。

24歳で、子宮内膜症と成人性アトピーと診断され、その後植物療法を学ぶ。

自身の病を克服した自然療法を啓蒙するため、オーガニックアロマスパ「シンシア・ガーデン」をオープン。その後「ママバター」「リンレン」「ネロリラ ボタニカ」など、数多くのオーガニック&ナチュラル製品を開発。

2011年には長期にわたる不妊治療を経て、待望の第一子を出産。翌年には第二子を出産。


現在はオーガニックビストロ、ヘッドスパ&ヘアサロン、ファッションブランドの経営も手掛ける。

  

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